ぺんぎんの花台
トイレの窓の脇に何か置きたくて、小さな花瓶に小さな花を活けたり、変な形の石をゴロンと置いたり、遊んでいたわけです。
少し高いところに花を置いて、垂らしてみるのもいいですね。何か台がないかな? と思っていたらペンギンみたいな木片があったので、木ねじか何かでくっつけたというわけです。
どうしてこんな “おあつらえ” 向きの台があったのか? というと、僕はこういう木片がかわいくて、捨てずにとっておいてあるからです。
これはジグゾーという、曲線が切れる電動ノコギリで切ったものです。たとえば四角い板から、曲線で何かを切り出すと、切り出された、使わない方にもネガの形が残りますね。使う方のポジの形が美しければ、当然ネガも美しいわけです。で、捨てないでおくと、何年かする間に声がかかるというわけです。
このペンギンはネガとして切り出されてから、多分5,6年は経っている気がするのですが、ポジの方が何になったのか? 家の中を見渡しても見つかりませんでした。木工のワークショップか何かの時に切り出して、参加者にあげたのかもしれません。
この場所に花台を付けようと思って、あらたに作るよりも、そのへんにあるものを利用するのが好きです。きちんと設計ができて、その設計通りに物が作れる男ではありませんし、ある物を使う方がエコでもあるし、意外性もある。
自然を相手にすれば、絶対に計算通りにはなりません。こういうツアーを組んで、あそこであれをして、ここでこれをして… 考えたこととは違うことが起こる。結果、その方が楽しい。そういうやり方に慣れてしまったのでしょう。
「いきあたりばったり、どうにかする」何の自慢にもなりませんが、それが僕のスタイルです。