爪先立つ棚
ダイニングに小さな棚を置いていました。ちょっと手に取って読む本や、CD、蝋燭(大事なお客様は蝋燭でお迎えします)などが置いてある。手作りしたものですが、あまり使い勝手はよくなかった。何年か考えた末に、課題が具体的に見えましたので、いよいよ作り直すことにしました。
まず第一に薄く造ること。広くはないダイニングです。棚を薄くることで、ここに椅子を一つ置くことができるようになります。CDがぴったり入る14cm幅に決めました。
第二に床から浮いていること。我が家には掃除機がなく、箒とモップで掃除しています。床から浮くことで棚の下を掃除しやすくなります。
ちょうど壁際に1cm幅の板が取り付けてありましたから、ここに爪先立つように設計しました。ダイニングの椅子は軽くて、壁に掛けて掃除ができるシェイカースタイルです。デザインはそこまで無骨ではないですが、コンセプトはそろいました。
第三に、この棚の上には大きな窓があります。この窓と一体化したデザインが望まれました。上板の幅を窓の幅と同じにして、全体のバランスを取りました。
何年も悩んで、方針が決まれば一日でできてしまいます。きちんと考えることが大切です。