冬鳥のアオジ
このころになると冬鳥たちもだいぶ慣れて、あまり人を怖がらなくなる。
スズメくらいの大きさのアオジは、藪の中に隠れていて、時々出てきて美しい黄色の腹を見せてくれる。この黄色をわずかに緑ががかっているのを、昔の人はアオと言い表したのでしょう。
色の感覚がやっぱり少し違いますね。しばし枝さきに止まってくれましたので、さっと撮らせてもらいました。
このころになると冬鳥たちもだいぶ慣れて、あまり人を怖がらなくなる。
スズメくらいの大きさのアオジは、藪の中に隠れていて、時々出てきて美しい黄色の腹を見せてくれる。この黄色をわずかに緑ががかっているのを、昔の人はアオと言い表したのでしょう。
色の感覚がやっぱり少し違いますね。しばし枝さきに止まってくれましたので、さっと撮らせてもらいました。
山道を歩いていると、冬鳥のルリビタキがすっと出てきて、こっちを見ます。縄張りを持つ鳥で、人が入ってきても反応するのです。
わざと目立つところに止まって、近づくと飛んで先へ行く。それを三度、四度繰り返し、人が縄張りから出ると消えてしまう「人懐っこい鳥だな」と思う人は多いだろうけど、ルリビタキにしてみれば、侵入者を縄張りの外へ連れ出したというわけです。
足元にはコウヤボウキの綿毛があります。タンポポを小さくしたような綿毛は、簡単には風で飛ばず、冬の間ずっと残っています。
普通は生成色ですが、中には赤身が強いものがあり、ピンクを濃くしたようなこの赤が、なんとも他で見ない色なのです。
冬の同じ日に、美しい青と赤を見たものですから、なにか二つは関係があるように思われ、冬の夕暮れの空の色だとか、天然の石を砕いて作った、岩絵の具にある色だとか、いろいろ思いを巡らせました。
簡単にお金では買えない、少し遠いところに目をやると、運がよければ見ることができる。そういう自然の中の色なのです。
12月は子どもたちと、さんざん落ち葉で遊びました。
小さな山の脇にいっぱい落ち葉をためて、雨の日はシートをかけておきます。そうするといつもサクサクで、何も言わなくても子供たちは小山を滑り降り、落ち葉のプールに飛び込みます。
1月になってシートをかけるのをやめた落ち葉にうっすら霜が降りていた。ああなんて美しい!と、思わず足を止めたのです。
1月、山道の路面が凍り付いています。ふと見ると、川沿いのガードレールの下にだけ、ふかふかと苔が生えている。覗き込むと、抽象絵画のような世界が50mほどつながっています。
ながーいパウンドケーキを切り分けるように、僕は端から写真を撮りました。こんなケーキがあってもいいな。そういえば現代音楽かのジョン・ケージが「土のケーキ」という絵本を出していましたね。彼はキノコも好きだったようで、僕とは気が合いそうです。