冬色のゆたかさ
冬の雑木林を歩いていて、何もなくて寂しいと思うことはありません。落ち葉の上をサクサクと歩く音だけでも楽しくて、これを子供たちにやらせてあげたいとか、音や匂いで木の種類が分からないか? とか、いろいろ思いは広がるのです。
枯草や、葉を落とした木々の形は潔く、生きる形の原型のようで、思わず見入ってしまいます。持ち帰れるものは持ち帰り、壁にかけてみたりもします。
林に斜めに入る午後の光の中、カマツカの散り残った黄葉がありました。淡く緑が残る葉もあり、赤味がにじむ葉もあって、その向こうに冬色の、紫とグレーの陰影がありました。
新緑や紅葉の素晴らしさ、強さを、人はいつも誉めたたえてきましたが、淡く織りなす冬色の豊かさにも、気づく時代が来るでしょう。