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365日のJournal

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december
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nature

December, 2021

dec04 dec05

冬色のゆたかさ

 

 冬の雑木林を歩いていて、何もなくて寂しいと思うことはありません。落ち葉の上をサクサクと歩く音だけでも楽しくて、これを子供たちにやらせてあげたいとか、音や匂いで木の種類が分からないか? とか、いろいろ思いは広がるのです。
 枯草や、葉を落とした木々の形は潔く、生きる形の原型のようで、思わず見入ってしまいます。持ち帰れるものは持ち帰り、壁にかけてみたりもします。

 林に斜めに入る午後の光の中、カマツカの散り残った黄葉がありました。淡く緑が残る葉もあり、赤味がにじむ葉もあって、その向こうに冬色の、紫とグレーの陰影がありました。

 新緑や紅葉の素晴らしさ、強さを、人はいつも誉めたたえてきましたが、淡く織りなす冬色の豊かさにも、気づく時代が来るでしょう。

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